アジアン・フリート リプレイ
フリートシリーズは昔からいつかはプレイしたいゲームの筆頭でした。この夏、ようやく思い切ってプレイできたのでリプレイを掲載します。
現代海戦で我が国がでてくるというテーマも興味深いですが、ソロでもできる空母戦という意味で、対人戦の機会が得難い人でも取り組みやすいゲームだと思います。(フリートシリーズを空母戦ゲームと位置づけるのは問題があるかもしれませんが・・・。)
ただ海戦ものは個人的に余り馴染みがなく、恥ずかしながらコマの四隅に大きな数字が書いてあるだけでパンツァーブリッツを連想してしまったぐらい、最初は戸惑ってしまいました。練習シナリオを何度かやって、ようやく現代海戦らしい脳内補完ができるようになったのでシナリオ4に挑戦しました。
先に言い訳しておきますと、初めての本格的シナリオプレイなので色々とミスプレイが続出の「へたれリプレイ」記事ですが、楽しんで頂けると幸いです。

シナリオ4 Invasion Taiwan
ご存じの通りこのシナリオは、中国軍の台湾侵攻の仮想戦シナリオです。ある日突然弾道ミサイルで大陸からの奇襲を受けるところから始まり、台湾救出に向かった米空母機動部隊が台湾海峡突入を目指すまでの3日間を扱っています。
強力な米軍の登場時期はサイコロで決まるので、台湾側は序盤、戦力を維持しつつ反撃できるところは反撃するという持久戦の方針。
中国軍は上陸部隊を載せた揚陸艦を台湾に接岸したり、台湾の海域封鎖を行う事でも得点が獲得できますが、その他に米軍艦艇に損害を与えるとポイントが高いので、米機動部隊と一戦交えて、何とか逃げ切りを目指す積極方針で臨みました。
ソロプレイなので、ルールのミスについては遡って訂正するが、プレイのミスでは決して認めない、という決まりを自分の中で固く誓ってプレイ開始です。(そうしないとユルユルなプレイになってしまい、サイコロを振り直したい誘惑に駆られたり、ルールのミスが分かってモラル崩壊して途中で投げ出したりしてしまうのを防ぐためです。)
ただアジフリの本格シナリオは初プレイなので、きちんと記録を取りつつ進めたら、異様に時間がかかってしまいました。8月の頭に始めて週末にコツコツと進めてきたのですが、結局、9月に突入してしまいました。なんか夏休みの宿題が終わらず、先生に頭下げて次の週まで提出を延期してもらった小学生みたいな気持ちです。
今回は天候ルールを除く上級ルールと選択ルールを使用しました。補給ルールは弾薬の状況をいちいちチェックするのが確かに面倒といえば面倒ですが、無尽蔵にSSMをぶっ放せるのは何ともおかしいので、導入した方がまともなゲーム展開になると思います。
【Set Up】
さてセットアップです。
台湾艦隊編成
TF1(台南2747)
FF×8隻:TZUI/CHENGKUNG/CHIKUANG/CHENGHO/YUEHFEI/TIANDAN/CHANGCHIEN/PANCHAO
CS×1隻: WUYI
TF2(高雄2848)
PCS×4ユニット: PCS1/PCS2/PCS3/PCS202
TF3(蘇澳2845)
DD×4隻: KEELUNG/SUAO/ZUOYING/MAKUNG
FF×8隻:CHIYANG/FONGYANG/FENGYANG/LANYANG/HAEYANG/HWAIYANG/NINGYANG/YIYANG
TF4(基隆2743)
FF×6隻: KANGDING/SINING/KUNMING/DIHUA/WUCHANG/CHENDU/PCS201
中国艦隊編成
TF1(3444)
DD×4隻: TAIZHOU/FUZHOU/HANGZHOU/NINGBO
FF×7隻: SANMING/LUSHUN/MAANSHAN/JIAXIN/WENZHOU/MIANYANG/LIANYUNGANG
CS×1隻: QINGDAOAU
TF3 南海艦隊(2953)
DD×5隻: SHENZHEN/GUANGZHOU/WUHAN/LANGZHOU/HAIKOU
FF×4隻: YICHANG/YULIN/YUX/XIANGFAN
CS×1隻: QINGHAIHU
CO×1ユニット: SOUTH
TF5(舟山2338)
FF×4隻: PUTIAN/TONGLING/HUAINAN/ANQING
CS×1隻: WEISHANHU
CO×2ユニット: FLOT2/FLOT3
PCS×3ユニット: PCS1/PCS2/PCS101
TF6(福州2445)
AA×7ユニット: FLOT1~6/T71
セットアップも色々考えたつもりが既に色々とポカやってます・・・。
今回シナリオ初プレイということで、CMJさんのリプレイを参考にさせてもらいました。初めてですと最初何をやっていいのか判らず、初期配置からして苦労することが多いのでこうした詳細なリプレイがあると凄く助かります。特に私のようなソロプレイヤーは、ルールの解釈に戸惑った際、こうしたリプレイを手掛かりに解きほぐしてゆくことができるので本当にありがたいです。

【第1ターン】
○戦略サイクル
まずは中国軍の弾道ミサイルの奇襲攻撃で戦いが始まります。ミサイル基地は6か所。それぞれのミサイル基地から1回ずつ、合計6回の攻撃が敵基地に対して行えます。1回の攻撃で基地に損害の与えることのできる確率は40%なのですが、台湾の嘉義、台南、佳山の3か所の航空基地がそれぞれ1損害を受けてしまいました。これで序盤、台湾側は使える航空機が減るので影響は大きいです。特に嘉義と佳山のF16が6ユニット全て使えなくなったのが痛い!
戦略航空作戦フェイズでは台湾側は最小限の航空機しか出撃させずCAPを優先しましたが、結局、中国側が撃退され、まずは台湾側が戦略索敵に成功し、敵潜水艦を1隻捕捉しました。
中国側は、台湾側の活性化できる航空機が少ないのを見越してCAPへの割り当てを減らし、攻撃部隊にできるだけ割り当てます。
○活動サイクル
・CAPフェイズ
中国側:路橋Su30MKK2×1、汕頭J7×1、福州Su30×1
台湾側:新竹Mir2×2、清泉崗FCK1×2、馬公FCK1×1
・第1活動セグメント(中国側先攻)
・中国側航空セグメント
最初の攻撃は中国側。中国側の航空機は航続距離の短いものが多く、台湾まで有効に攻撃に行ける機体をヤリクリしての攻撃となります。
基地は3損害を受けると破壊され勝利得点になる上、その基地に配備されていた航空機も除去される為、攻撃の優先順位が高く、追加損害を与えようと航空基地への爆撃を行います。ところが佳山に向かった攻撃隊はことごとくCAPに撃退され、戦略爆撃機が放った巡航ミサイルも効果なし。
水上艦艇に損害を与えようと基隆のTF4に対しても爆撃に向かいますが、CAPに捕まり攻撃隊が2ユニット全滅させられるなど、強力な台湾のCAPに阻まれて思うように攻撃ができません。
・台湾側水上艦艇セグメント
台湾の反撃は水上艦艇から、と言っても積極的に攻勢にでる気はありません。まずは戦略索敵に成功した中国軍潜水艦に対して蘇澳のTF3がASW攻撃を行います。しかし潜水艦は防御力が高く、損害を与える事ができません。TF3はそのまま台東航空基地のある沿岸ヘクスへ移動します。
・第2活動セグメント(中国側先攻)
・中国側潜水艦セグメント
中国軍は海域封鎖を完璧にするべく潜水艦を移動させ、台湾の二重包囲を目指します。
・台湾側潜水艦セグメント
台湾側は潜水艦が2隻しかありません。移動のみ行いました。米軍の原潜は空母機動部隊が登場するか、敵の攻撃を受けるまで攻撃ができません。
・第3活動セグメント(中国側先攻)
・中国側水上艦セグメント
中国側の水上艦隊は米軍機動部隊に備えて台湾の東方を遠巻きに北上します。
・台湾側航空セグメント
台湾の航空機は殆ど全てをCAPに投入した為、事実上のパスになりました。
○第1ターン勝利得点計算
勝利得点を計算しようと思ったら、困った事が起きました。
ルールブックのシナリオの得点計算方法と、コマンドマガジンのHPに掲載しているリプレイとで計算方法が違うのです。具体的にいうと、ルールブックでは台湾封鎖のポイントはゲーム終了時点で封鎖できていれば20点が中国側に加算されるのですが、リプレイでは毎ターン終了時に封鎖していれば10ポイントづつ加算されるのです。
エラッタを探しても見つからないので取りあえず両方の方法で集計してゆくことにしました。
ただ、普通に考えて海域封鎖というものは継続して封鎖してこそ意味のあるものなので、最終ターンの終了時だけ封鎖してればO.K.というのは違和感があります。
色々とエラッタを探してみたのですがWeb上では見つかりませんでした。CMJの本誌には何らかの記載があるのかも知れません。ご存じの方がいらっしゃったら教えて下さい。
・勝利得点計算
中国側:台湾封鎖 +10
台湾側:航空ユニット除去 -2(J8B×1、JH7×1)
よって第1ターンの勝利得点は、ルールブック式:-2ポイント、リプレイ式:+8ポイントとなりました。
○コメント
どちらの陣営も少し消極的すぎる結果になってしまいました。特に中国側はせっかく弾道ミサイル攻撃がうまくいったのに台湾のCAPに怖気づき攻撃が頓挫してしまった感があります。
やはり初めてのシナリオで慣れてないので最初のターンは何をやったらいいのか判らず、なかなかウマくいきません。

【第2ターン】
○活動サイクル
・CAPフェイズ
中国側:衛州J7E×1、汕頭J7×1、福州Su30×1
台湾側:新竹Mir2×2、清泉崗FCK1×2、馬公FCK1×1
・第1活動セグメント(台湾側先攻)
・台湾側水上艦セグメント
台湾側は潜水艦を攻撃し海域封鎖の突破を狙います。台東の沿岸にいるTF3を出撃させ、中国軍潜水艦にASW攻撃を行い1ステップロスを与えます。また基隆のTF4も出撃して潜水艦を攻撃しますが、効果なし。
やはり本気で潜水艦を攻撃するためにはTFを分割して潜水艦攻撃部隊に編制し直さなくてはいけません。
・中国側潜水艦セグメント
中国軍は包囲を強化しながら2隻しかない台湾軍潜水艦に攻撃を加えますが、SS:HAILUNGに1ステップロスを与えるに留まりました。
・第2活動セグメント(中国側先攻)
・中国側航空機セグメント
中国軍は飛行機を掻き集めて台湾の空軍基地への攻撃を行います。衛州のSu30、路橋のSu30MKK2の高性能機が共同攻撃で佳山航空基地への爆撃に向かいます。対する台湾空軍は新竹のMir2と清泉崗のFCK1がCAPで迎撃。さらに中国軍は福州のSu30のCAPが加勢する台湾海峡航空戦が勃発します。
双方共がレーダーホーミングミサイルを持つ新鋭機同士での航空戦でしたが、結果は台湾のFCK1と中国のSu30が1ユニットづつ撃墜され、中国軍が帰投。爆撃には至りませんでした。
台湾空軍の防衛戦が続きます。中国軍は杭州のQ5攻撃機に航続距離の延長をさせて新竹まで遠距離爆撃に向かわせます。上海のJH7、長興のJ10が護衛につきますが、台湾のCAPに迎撃されJH7が撃墜。攻撃隊は已む無く帰投します。
戦略爆撃機による巡航ミサイルで佳山へ攻撃を行いますが効果ありませんでした。
・台湾側航空機セグメント
全てCAPに投入している為、実質パス。特別ルールで弾道ミサイル攻撃のみ行いますが効果なし。
第3活動セグメント(台湾側先攻)
・台湾側潜水艦セグメント
SS:HAIHUが中国軍潜水艦に対しASW攻撃を行いますが効果なし。
・中国側水上艦セグメント
米空母機動部隊の南下に備え、中国艦隊は沖縄方面に向け北上します。
○第2ターン勝利得点計算
・勝利得点計算
中国側:台湾封鎖 +10 航空ユニット除去 +3(FCK1×1)
台湾側:航空ユニット除去 -4(Su30×1、JH7×1)
第2ターンの勝利得点は、ルールブック式:-3ポイント、リプレイ式:+17ポイントとなりました。
○コメント
台湾空軍のCAPが善戦し、中国軍の爆撃隊を寄せ付けません。一方、中国艦隊はジリジリと北上を続けます。

【第3ターン】
米軍の増援時期をサイコロを振って決定します。結果、米空母機動部隊は第4ターンに登場することとなりました。 また、このターンは夜間ターンなので特に昼間戦闘機の多い中国軍は行動できる航空機が少なくなります。
○活動サイクル
・CAPフェイズ
中国側:福州Su30×1
台湾側:新竹Mir2×2、清泉崗FCK1×2、馬公FCK1×1
・第1活動セグメント(中国側先攻)
・中国側水上艦セグメント
中国軍潜水艦は台湾封鎖を続けながら、今度は台湾艦隊に対してSSM攻撃を行います。
台東の沿岸ヘクス(2946)にいる台湾TF3に対してキロ級潜水艦が攻撃。高速SSM攻撃により台湾FF:FENGYANGが沈没します。
さらに高雄に停泊しているミサイル艇艦隊に対してもSSM攻撃を実行。港湾の近接対空力が加えられるため防御には有利なはすですが、それでもPCS3が沈没、PCS2が1ステップロスと攻撃が成功します。
また台湾の2隻の潜水艦に対しても其々ASW攻撃を行いますが、効果はありませんでした。
・台湾側水上艦セグメント
敵潜水艦により撃沈の損害を被った台湾艦隊はASW攻撃で逆襲します。TF3は蘇澳に帰還しつつ中国軍潜水艦をASW攻撃しますが効果はありません。基隆のTF4は港から出撃し敵潜水艦に1ステップロスの損害を与えて再び基隆に帰還。左營基地のTF1は隣接する敵潜水艦を攻撃しますが効果なし。そのまま台湾西岸を北上し新竹航空基地の沿岸ヘクス(2645)まで移動しました。
なかなか潜水艦に対し効果的な攻撃を行う事ができません。
・第2活動セグメント(台湾側先攻)
・台湾側潜水艦セグメント
このターンまでは米機動部隊が登場していないので米潜水艦も攻撃は行わずに移動のみ行い、敵潜水艦の索敵を実行しています。一方、台湾の潜水艦は其々敵潜水艦に対して攻撃をしますが一隻に1ステップロスの損害を与えるに留まりました。
・中国側水上艦セグメント
沈黙していた中国軍艦隊が動き出します。
舟山(2338)のTF5はFFとPCSの混成艦隊ですが、ミサイル艇PCSだけ切り離しTF4の別動隊に分割します。
そしてFF部隊となったTF5は台湾海峡へ向かい南下します。
米軍の登場は次のターンからですが、ここで中国軍は先攻して米潜水艦にASW攻撃を仕掛けます。台湾東方の石垣島海域にいたTF1が米原潜BremertonをASW攻撃しますが、効果はありませんでした。
戦力を温存している南方艦隊はジリジリと台湾東方沖を北上して行きます。
・第3活動セグメント(中国側先攻)
・中国側航空機セグメント
中国軍は夜間ターンに活性化できる航空機は少ないのですが、このターン中に台湾の航空基地の損害を追加しておかなければ続く修復フェイズに航空基地の損害が1ポイント回復してしまい、せっかくの弾道ミサイルの戦果が無駄になりかねません。
戦略爆撃機による巡航ミサイル攻撃が成功し佳山に追加1損害を与える事に成功しました。
また長興のJ10×1と衛州のJ7E×1が戦力減少を厭わず出撃しますが、台湾CAPに捕まり両方とも撃墜されてしまいました。夜間はやっぱり夜間戦闘機でないと厳しいようです。
そこで夜間戦闘機である路橋のSu30MKK2を出撃させ、共同攻撃で来陽の戦略爆撃機と一緒に佳山の航空基地へ夜間爆撃へ向かいます。他に安慶の電子戦機と杭州のJH7とも合流しての攻撃です。福州のCAPのSu30も加勢します。台湾側は新竹のMir2×2と清泉崗のFSK1×1がCAP迎撃に待ち構えます。結果は中国側1ステップロスの上、帰投です。虎の子のSu30MKK2が1ステップロスを被りました。
・台湾側航空機セグメント
台湾は全部CAPに投入しているので実質パスです。弾道ミサイルによる攻撃のみ実行しましたが効果なしでした。
○ターミナルサイクル
中国側は1日を通して2損害を与える事ができたのは結局、佳山の航空基地のみでした。修理フェイズに1損害のみの嘉義、台南の航空基地は回復します。佳山は損害が1つ減って1になりますが次のターンも使用不可のままです。
○第3ターン勝利得点計算
・勝利得点計算
中国側:台湾封鎖 +10 水上艦艇除去 +6(FF:FENGYANG、PCS3))
台湾側:航空ユニット除去 -2(J10×1、J7E×1)
第3ターンの勝利得点は、ルールブック式:+1ポイント、リプレイ式:+31ポイントとなりました。
○コメント
中国軍の攻撃は思ったほど戦果を挙げられず、航空基地が破壊できません。一方台湾側は敵潜水艦にうまく対処できず散発的な攻撃に終わってしまっています。次のターンから米空母機動部隊が登場するので、温存している中国水上艦隊との決戦が始まります。

この項、次回に続きます。
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