アジアンフリートUpdate 1回目
「オレンジのなる頃に」
アジアンフリートUpdate Kit(AFU)リプレイ
アジアンフリートの同人拡張版「オレンジのなる頃に」は、より最新の軍事状況に沿った新ユニットが追加され、若干のルール変更がなされたUpdate Kitです。最近の東アジア情勢は中国海軍による軍拡競争が著しく、アジアンフリートのデータもすぐに時代遅れになってしまうほどですが、このUpdateキットには、2010年末における最新データに基づいた差し替え用のユニットと新シナリオ用の追加ユニットが付いています。中国初の空母「遼寧」は「施琅」という名前でユニット化されています。艦載機はロシア製Su-33の輸入交渉が難航していることを反映し中国製J-15が指定されるなど細かい点にも配慮されています。
ルールの変更については、主にAWACSの効果が変更となっています。アジアンフリートでは戦略航空フェイズに一旦AWACSが配置されると1日中(つまり3ターン)効果が持続しましたが、AFUでは1ターンのみに制限されました。
また潜水艦索敵表が新しくなり新型艦艇に対応しているなど、細かい点でもブラッシュアップが図られています。
シナリオは日米仮想戦を扱った「ファイナルカウントダウン」、「日本、売ります」、「オレンジのなる頃に」の新作3本に、アジフリのシナリオ6本の各Updateがあり、さらに対北朝鮮戦を扱った「The Black Day of DPRK
NAVY」と尖閣諸島での日中衝突をシミュレートした「The Wilderness War」の2本が追加されています。
今回は追加された尖閣シナリオをプレイしてみました。
シナリオ8「The Wilderness War」
AFUで追加されたこのシナリオは、尖閣諸島をめぐる日中間の緊張が高まり、ついに中国の漁業監視船との小競り合いを経て、中国側が魚釣島へ武装人員を上陸させようとするところから始まります。
双方とも衝突を無制限に拡大する気はないのですが、徐々に戦火が広まってしまう様をうまく表している6ターン(2日間)のミニシナリオです。
勝利条件は基本的に魚釣島ヘクスを確保した方が勝ちですが、各種戦闘を先に仕掛けた方がペナルティを受けることになっており、SSM攻撃や爆撃など高火力の攻撃で先制すると勝利得点上、大きく不利になります。そのため最初はSSM無しの近接攻撃など、なるべく最小限の火器で戦おうとはするのですが、お互い勝利の為に段々とエスカレートして行きます・・・。
今回、選択ルールの「日本政府の決断」は結局使いませんでした。これは日本政府の対応の遅れを再現したシナリオ特別ルールで、チットを引いて政府の対応方針を決めます。日本側プレイヤーが戦闘しようとした際にチットを確認して政府方針を決定するのですが、うまく機能せず適用を止めました。
【Set Up】
初期配置は余り考える事はありません。
日本艦隊編成
TF1(3540)
DD×7隻:ちょうかい/はるさめ/たかなみ/くらま/あしがら/ゆうぎり/あまぎり
また、尖閣沖(2942)にDDおおなみを1隻、単独で配置します。これらはシナリオ初期設定どおりです。
SSなるしおは魚釣島から2ヘクス以内との指示なので西側隣接ヘクス2742へ配置。SSなるしおは那覇から2ヘクス以内なので那覇の南南西沖ヘクス3340に配置しました。
中国艦隊編成
TF1(舟山2338)
DD×2隻: Hangzhou/Fuzhou
FF×7隻: 莆田/綿陽/洛陽/Maanshan/Wenzhou/舟山/徐州
CS×1隻: Qindaoau
TG2(舟山2338)
AA×2隻: Flot1/Flot2
シナリオ指示通りですが、揚陸艦は別のタスクグループに分割しました。
潜水艦SS宋327は魚釣島の2ヘクス以内と日本と同条件なので北側隣接ヘクス2841に配置。もう一隻のSS基洛369は日本のTF1の2へクス先3442に配置。
初期配置は決まっていて選択の余地は殆どありません。
【第1ターン】
○戦略サイクル
第1ターンの戦略航空フェイズではシナリオルールによって空対空戦闘が発生することは無いので、まずはAWACS(早期警戒管制機)の展開と偵察任務に専念します。
・戦略航空作戦フェイズ
日本側
東シナ海ゾーン :E-767(AWACS)×1、P3×2
台湾ゾーン :P3×1
中国側
東シナ海ゾーン :KJ2000(AWACS)×1、Y8J×1
台湾ゾーン :J8F×1
※シナリオ指定はJ8Hと記載されているのですが・・・。おそらくJ8Fで正解でしょう。
双方とも迎撃はできないので偵察任務を行った結果、続く索敵セグメントでお互い全ての水上艦艇が戦略索敵により発見されました。潜水艦は発見されませんでした。
○活動サイクル
・AWACS配置セグメント
AFUではAWACSの扱いが変更になっています。アジアンフリートでは戦略航空作戦フェイズ中にAWACS配置セグメントがあったのですが、AFUでは活動サイクルの最初、CAPフェイズの前にAWACS配置を行います。さらにCAPと同様に活動サイクル終わりのCAP帰投フェイズにはAWACSも帰投させられてしまいます。
つまりアジアンフリートでは戦略サイクルで配置されたAWACSは丸一日(3ターン)に亘り効果があったのですが、AFUでは1ターンしか効果がなく、一日のAM、PM、夜間の3ターンの内、どのターンにAWACSを投入するかを慎重に考えなくてはならなくなりました。
日本側は第1ターンにはAWACSを配置せず、中国側のみが石垣島の北(3141)に配置しました。
・CAPフェイズ
日本側:那覇F15J×1
中国側:路僑S30MKK2×1、AWACS S30×1
・第1活動セグメント(日本側先攻)
・日本側水上艦セグメント
魚釣島の領海(ヘクス2842)に中国漁業監視船 漁政310が侵入した為、周辺海域を警戒していた護衛艦おおなみは直ちに退去勧告を行います。この退去勧告はシナリオ特別ルールで、サイコロを振って勧告を行ったユニットの数以下を出せば、漁業監視船を隣接ヘクスへ退去させることができるのです。
当然単独で行っても成功する確率は低く失敗。漁政310は「尖閣は中国の領土である」との主張を掲げたまま、全く退去する様子は見られません。DDおおなみは仕方なく大正島沖合(2941)に移動します。
一方、那覇の南方沖合に停泊している海上自衛隊護衛艦隊TF1は尖閣諸島への移動を開始。石垣島まで進出します。
・中国側水上艦セグメント
舟山(2338)に停泊する中国海軍TF1と揚陸艦隊TF2が魚釣島へ向けて出港。尖閣諸島の西方2ヘクス(2740、2640)まで進出します。
・第2活動セグメント(日本側先攻)
・日本側潜水艦セグメント
SSなるしおは中国潜水艦に隣接するように移動。SSもちしおは中国艦隊に隣接するように尖閣諸島の西側に移動します。
・中国側潜水艦セグメント
基洛369は海上自衛隊TF1を追って石垣島に隣接します。索敵判定は失敗し、潜水艦は未だ発見されず。
・第3活動セグメント(中国側先攻)
航空機活動セグメントが残っていますが、まだ戦争状態ではなく出撃せず。双方ともパスしてターン終了です。日本側が出撃しなかったので、このターンでの中国配置のAWACSは結局、無駄になってしまいました。
○コメント
漁業監視船の強硬な態度から風雲急を告げる尖閣諸島海域。序盤はシナリオ特別ルールが効いていて雰囲気が出ています。
次回へ続きます。
護衛艦ちょうかい
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