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2013年2月11日 (月)

アジアンフリートUpdate 2回目

Photo
護衛艦あしがら

 前回に引き続きアジアンフリートのUpdate KITである「オレンジのなる頃に」から尖閣諸島での日中衝突を扱ったシナリオ「The Wilderness War」のリプレイをお送りいたします。

【第2ターン】

・AWACS配置セグメント
 
日本側はこのターンに中国軍機が飛来してくることを想定し、魚釣島に隣接した大正島上空にAWACSを配置します。

CAPフェイズ

 日本側:那覇F15J×1、AWACS F15J改×1
 中国側:路僑Su30MKK2×1

 
中国側は魚釣島が路僑のCAP範囲にギリギリ入りますが、日本側は近くに航空基地が無いため、尖閣諸島を警戒空域とするにはAWACSの配備が必須です。下地島航空基地(選択ルール23.78)は今回利用しませんでしたが、ペナルティポイントを支払ってでも確保するべきかもしれません。

・局地索敵フェイズ

 中国側潜水艦が2隻とも発見され、日本側も中国海軍に隣接していたSSもちしおが発見されました。

○活動サイクル

・第1活動セグメント(日本側先攻)

・日本側水上艦セグメント

 海上自衛隊TF1は魚釣島へ急行し領海に侵入した漁政310に対し退去勧告を行います。TF1DD7隻の艦隊なので1D10で7以下の目がでればよく、退去勧告は成功します。ところが漁政310はここで「断固たる抵抗」を宣言して領海に居座り続けます。

 これもシナリオ特別ルールで、中国側はゲーム中、一度だけ退去勧告を無視することができるのです。

 再度の勧告にも従わず強硬な態度をとり続ける中国側に対し、日本側は遂に警告射撃を検討。TF1旗艦DDちょうかいの艦長は政府に対し発砲許可を求めます。中国海軍の強襲揚陸艦も近づきつつあり、漁業監視船に偽装した上陸部隊が正に魚釣島への侵攻作戦を開始しようとしていると。ところが政治判断チットを引くと、何と政府の回答は「売国政権」でした・・・。

 まず、特別ルールでは「断固たる抵抗」を宣言した漁業監視船に対し、SSMを使用しない近接攻撃を勝利条件上のペナルティ無しで行うことができます。

 
ところが選択ルール「日本政府の決断」を用いると、日本側は攻撃する際にチットを引いて政府の方針を決定します。引いたチットが「開戦の決断」であれば問題ないのですが、「売国政権」だと日本側が損害を被るまで一切攻撃をすることができないのです。

 これでは日本側は何もできず、次の中国側活動セグメントで中国艦隊が到着して魚釣島領海が占拠され、為す術もなく日本の負けが確定してしまいます。

 そこで選択ルールは適用せずゲーム続行。SSMを使用しない近接攻撃を行うことにしましたが、これが大変なことに。近接攻撃はサイコロで攻撃の順番を決定するのですが、何と攻撃側である海上自衛隊が攻撃できずに中国側の攻撃を受けるだけという最悪の結果になってしまったのです・・・。

 海上自衛隊の護衛艦隊TF1が、中国漁業監視船に対し127ミリ速射砲の警告射撃の準備を開始したその時、漁政310が突然発砲。慌てる護衛艦隊。一先ず攻撃を回避し、射撃を中止せざるを得なくなったという状況でしょうか。

 続いて護衛艦おおなみが再度の退去勧告を行いますが失敗。おおなみの艦長はSSM無しの近接攻撃の命令を下します。遂に勝利条件上のペナルティを支払って日本側が発砲します。中国先攻の近接攻撃となり漁政310は発砲してきますが効果なし。反撃にでた護衛艦おおなみは漁業監視船を一撃の下に撃沈。魚釣島海域を取り返します。しかし中国側に恰好の口実を与えてしまうことになってしまいました。これによって勝利条件は日本側△5ポイントとなります。

・中国側水上艦艇セグメント

 日本側が先に攻撃してきた為、中国側は同等の攻撃ならばペナルティ無しで実行できます。中国海軍TF1は魚釣島に隣接し、SSM無しの近接攻撃を行います。おおなみは9隻の中国艦隊にたった1隻で立ち向かいますが、敵わず撃沈となりました。揚陸艦部隊TF2ががら空きとなった魚釣島ヘクスに侵入します。揚陸艦ユニットは魚釣島ヘクスで2移動力を消費することにより上陸できるので、次のターンには上陸が可能となります。

・第2活動セグメント(中国側先攻)

・中国側潜水艦セグメント

 尖閣周辺にいたSS327が魚釣島へ移動。周辺海域を守ります。基洛369は海上自衛隊TF1を追って西表島まで移動しました。

・日本側潜水艦セグメント

 護衛艦おおなみが沈められ魚釣島まで占拠された日本側としては黙っている訳にはいきません。SSもちしおが中国TF1を雷撃。DD HanzhouFuzhouに対し最大魚雷攻撃を行い2隻を撃沈。日本側としては溜飲を下げますが、先に雷撃を行った事でまたしても勝利ポイントは△10点減点されてしまいます。

 SSなるしおは宮古島近海から尖閣へ移動しました。

・第3活動セグメント(中国側先攻)

 航空機セグメントを残して中国側はパスします。既に勝利条件の魚釣島ヘクスを占拠している以上、後は日本側の攻撃手段に合わせて反撃を行えばよいのですから、ここで無理はしない方針です。

 日本側も航空攻撃は行わず、第2ターン終了となりました。

○局地索敵マーカー離脱フェイズ

 SSもちしおが雷撃後に中国艦隊から離れるように移動していたので局地索敵から外れました。

○コメント

・勝利得点
 日本:近接攻撃先攻△5、魚雷攻撃先攻△10、おおなみ沈没△3
 中国:Hangzhou沈没+6、Fuzhou沈没+6
 合計 △6

 中国の方が損害は多いですが、先攻して攻撃を行った日本に対してのペナルティが大きく、中国側が優勢です。

※シナリオにはどちらの艦船が沈没してもマイナスの得点計算と記載されてますが・・・。
 当然、中国の艦船に損害があった場合は日本のプラスとして計算してます。

20130208_235733_2



【第3ターン】

・AWACS配置セグメント

 双方ともAWACSは帰投してしまったので、このターンは配置できません。

・CAPフェイズ

 
 
 日本側:無し

 中国側:路僑Su30MKK2×1

 日本側の艦船は、既に那覇のCAP範囲から外れてしまっているのでCAP配備は行いませんでした。

○活動サイクル

・第1活動セグメント(日本側先攻)

・日本側水上艦艇セグメント
 

 
日本側は魚釣島にいる敵潜水艦と揚陸艦に対し全力で攻撃を行います。TF1がまずはSS327にASW攻撃を実行。護衛艦くらまの対潜能力が高く、1ステップの損害を与える事に成功します。

 続いて魚釣島にいる揚陸艦隊にSSM使用の近接攻撃を実行します。SSM攻撃を先攻して行う事で日本側はまたしても勝利条件に不利となってしまうのですが、ここで揚陸艦を沈めないと次の中国側の活動で上陸されてしまう為、近接攻撃で2隻の撃沈を狙います。しかしFLOT1は撃沈しましたが、FLOT2は損害無しの結果となってしまいました。仕方ありません。

・中国側水上艦セグメント

 まずは幸運にも生き残った揚陸艦FLOT2が2移動力を消費して魚釣島へ上陸を行います。後はゲームターン終了まで魚釣島ヘクスを守り切ればいいだけです。

 中国海軍TF1も魚釣島ヘクスに侵入。SSM攻撃で日本艦隊を攻撃します。DDあしがらとゆうぎりに対して攻撃した結果、あしがらに1ステップの損害を与えました。

・第2活動セグメント(中国側先攻)

・中国側潜水艦セグメント

 魚釣島海域にいるSS327が日本艦隊TF1に雷撃。集中雷撃を行いDDあしがらを攻撃。あしがらに追加のステップロスを与え撃沈することに成功しました。

 更にSS基洛369も雷撃を実行。DDちょうかいに対し集中雷撃を行い、これを撃沈。
海上自衛隊はDDちょうかいとあしがらの二隻のイージス艦を失うという大損害を被りました。

・日本側潜水艦セグメント

 SSもちしお、なるしおの2隻が反撃します。FF Maanshanに向けて雷撃を実行しますがサイコロに見捨てられ攻撃失敗。損害を与える事ができません。

・第3活動セグメント

またしても航空機セグメントを残して双方がパスし、第3ターンの終了となりました。

20130209_000033_2



○ゲーム終了!

 さてここでいったん勝利得点の計算を行ってみましょう。

 日本:SSM攻撃先攻△15、DDあしがら沈没△5、DDちょうかい沈没△5
 中国:得点なし
 
合計得点:△31ポイント 

 
圧倒的に中国側が優勢です。ここで日本側が逆転勝利する条件を考えてみます。

ゲーム終了時に魚釣島ヘクスに日本側ユニットが存在しない場合、既に中国軍に上陸されている為サドンデスとなります。その為、最終ターンまでには魚釣島ヘクスを取り返さなくてはならないのですが、中国艦隊が占拠しており、全艦船を撃沈しない限り奪還は不可能です。

 ところが、もし残りの中国艦隊7隻を全滅させたとしても勝利得点は+22ポイント。潜水艦2隻を入れて漸く+30ポイントとなります。魚釣島を奪還によるボーナスポイントが+30ポイントですから、全てうまくいったとして+29ポイント。+20~30ポイントの範囲内なので日本側最低限勝利ということになります。

 ただしこれは日本側に追加の損害が一切無く、また航空攻撃を日本側から行わない前提の数字です。爆撃を日本側が先攻するとペナルティは△15ポイント。こうなるともう勝ち目がありません。

 しかし航空攻撃無しで9隻全てを撃沈するのはどう考えても余程サイコロが味方してくれないと不可能に思えてきて日本側のモラル崩壊。投了となりました。やはりイージス艦が二隻も沈むとダメージが大きいです。

○最終コメント

 結局半分であきらめてしまった訳ですが、果たして日本側が勝つ可能性はあるのでしょうか?

 
日本側の最大の敗因は「断固たる抵抗」の後、SSMを使用しない近接攻撃でサイの目が悪く中国側の攻撃のみとなり、漁政310に対しての攻撃が遅れた事です。ここでTF1が近接攻撃を行い、魚釣島海域を先に占拠していれば、その後は中国側が先攻して攻撃しなくてはならず、勝利条件上のペナルティが一方的に日本に不利になることはなかったと思います。

 また今回、航空戦闘は起こりませんでしたが、AWACS配置の為の偶発的な空対空戦闘がおこる可能性は常にあるということがよく判りました。特に日本側からすると尖閣諸島は那覇基地からも遠くCAP範囲を外れるので、常にAWACSの配置を考えなくてはなりません。実際においても航空偵察において偶発的に空対空戦闘の起こる可能性はかなり高く、一旦戦闘が起こるとエスカレートする可能性を常にはらんでいることを考えれば、下地島航空基地へのF15配備は真剣に検討する必要があるでしょう。過去の経緯と住民への配慮などを考えば下地島空港の自衛隊配備は無理に推し進める事は困難ですが、地政学的には先島諸島全域をCAP範囲に収めることができる重要な拠点です。尖閣諸島がCAP範囲内となり、F15が常に警戒を行うようになれば逆に偶発的な衝突は回避される可能性が高くなると思われます。

 
ゲーム上はペナルティとして△5ポイントを支払えば1ユニットを配備することができるのですが、5ポイント以上の効果があることは確実です。ただゲームバランスが悪くなる可能性はあります。

 
このシナリオでは台湾は出てきませんが、もし下地島への配備が行われると台湾沿岸空域もCAP範囲内となる為、実際のF15配備には台湾への裏工作が欠かせないと思われます。台湾とは漁業協定で譲歩して中台分断を図る等の狡猾な戦略が必要となってくるかも知れません。

 結論を言えば、尖閣諸島で日中双方が衝突した場合、結果はサイの目次第ということが言えるでしょう。逆に言えば現実社会で本当に勝つためにはサイコロを振らせない事が重要です。サイコロを振らない/振らせない戦略。それは偶発的な衝突を回避し、先制攻撃を思いとどまらせるに充分な軍事バランスの構築、と言うことに他なりません。

 中国側が海上自衛隊の護衛艦をロックオンしたり、尖閣を巡る情勢は緊迫の度合いが増してきています。ここは挑発に乗らない、あくまで冷静な戦略眼こそが試されているのではないでしょうか。

 シミュレーションがあくまでもゲームの世界でありますように。最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

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