文化・芸術

2012年1月 9日 (月)

「清明上河図」を見に行った。

この週末、久しぶりに上野の博物館へ。
東京国立博物館の「北京故宮博物院200選」を見に行って来ました。
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日中国交正常化40周年を記念しての特別展ですが、何と言っても凄いのが「清明上河図(セイメイジョウカズ)」が展示されること。
これは神品とも言われる程の、中国美術品の中でも国宝中の国宝。過去、一度も国外に貸し出したことの無い名品なのです。
うちの親父に言わせると、日本で言えば「百済観音」を貸し出すようなものだとか。

ご存知の人も多いとは思いますが簡単に説明しますと、今から約900年前、北宋の時代に、首都開封の街のにぎやかな様子を事細かく描いた絵巻物です。
とても克明に描かれており、美術的価値のみならず、当時の風俗を知る貴重な史料としても歴史的価値が高いものです。

またその来歴にも謎が多く、永い歴史の間には何度も盗まれたり行方不明になっています。
一番最近では、ラストエンペラー溥儀が紫禁城より持ち出し、満州国の新京(長春)へ移します。しかし終戦時にこっそり日本へ持ち込もうとして失敗。
溥儀は捕らえられ、それ以来1950年に瀋陽で偶然発見されるまで行方不明になっていたという代物です。

北京でも滅多に公開されることが無いので、この機会を逃してなるものかと出かけて参りました。
昼過ぎに到着したら既に180分待ちの看板が。くじけずに列の最後に並びます。

展示室の一番奥にある「清明上河図」の為だけの行列が展示室の外に別に並ばされている状態でした。
3時間近く並びましたが、二人で行ったので交代で並びながら他の展示も見ることができました。

実物は思った以上に精密で、紙幣の肖像画の細かな絵をさらに細かくした感じです。
しかし良く見てみると、とても表現豊かに描き込んであり精密なだけの絵では決してありません。
とにかく圧倒的な緻密さで描かれており、本当に見ていて飽きませんでした。
くすんだ色合いかと思ってましたが、実物はうっすらした緑が草木の絵に施されていて、光沢すら感じさせる不思議な色合いを感じました。
休日ですと行列必至ですが、長時間並ぶ以上の価値があります。ご興味のある方は是非上野まで足を運んでみて下さい。

ただ気をつけて頂きたいのですが「北京故宮博物院200選」は2月19日まで開催してますが、「清明上河図」は1月24日までしか展示されません。
お早めに。

2010年6月14日 (月)

「不忠不孝渡邉登」

先日、愛知県美術館へ行って「渡辺崋山展」を見てきました。

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渡辺崋山と言えば国宝に指定されている「高見泉石像」が余りにも有名ですが、あれは現在、東京国立博物館の所蔵となっています。

今回の展示は田原市博物館所蔵の品々を名古屋で特別展示するという企画なので「高見泉石像」はありませんが、なかなかの名品が来ていました。

有名なところでは「一掃百態図」。また父親を描いた「渡辺巴洲像画稿」、母親を描いた「御母堂栄之像画稿」。

また肖像画のみならず、山水画や俳画もあってなかなか面白い。この画像は弟子の描いた渡辺崋山像で、崋山自身の作品ではありませんが、人柄を良く表していると思います。あー、こういう人だったんだなぁと。

田原市の博物館にも一度行ってみたいと思っていたのですが、わざわざ訪ねる機会もなく、こうした企画はありがたい。

会社からすぐのところでしたので、平日の仕事中、昼休み時間を利用して行ってきたのですがガラガラでした。展示室には学芸員の他は私一人という状況。

いやぁ、こんなに空いている美術館とは。周りを全く気にしないで満喫することができましたが少し寂しい。そんなに人気無いのだろうか・・・。

まあ逆に東京の美術館の混雑具合が平日でもごった返していて異常と言えるのですが。

さて、崋山の画風というのは、とてもデッサンが正確で写実的です。インテリが丁寧に書いた感じがするのですが理屈っぽさは無く、冷徹な透明感を感じます。

この人はあくまでも武士、侍なんですね。この冷徹なまでの覚悟を感じさせる透明感は、ただの画家ではなく武士としての矜持が描かれていると思うのは私だけでしょうか。

また「一掃百態」のようなスケッチにも極めて客観的な視点を見る事ができます。

蛮社の獄で逮捕されますが、その捕縛された様子をデッサンに残しています。そこまで客観的に自分を見ることができるとは凄い。

最期には罪人として田原に蟄居しますが、弟子たちが崋山の絵を売って生計を助けようとしたことを咎められ、藩主に災いが及ぶ事を恐れて自刃します。

何よりも心打たれたのは、その直前に書いた自筆の墓標。

画像が無くてすみません。どうしても見つからなかったので。ただ是非実物を見に行って欲しい。

大きく「不忠不孝渡邉登」と大書したもので、罪人となった為、墓石を立てる事も許されないだろうと自ら墓標を書いたということらしい。元々そんなに字はうまい人ではないと思うけれど、切腹を覚悟して書いたと言われる一文字一文字は物凄い迫力で迫ってくる。

あの精緻な肖像画を描く人の書いたものとは思えないほどの、息遣いの荒さを感じる一筆でした。

小規模な展示会ではありましたけど、色々考えさせられました。

常設展もそこそこの作品があります。何より名古屋の真ん中でやってますし、平日は空いてますので、お近くでしたら昼休みにちょっと覗いて見てはいかがでしょうか。

2010年3月 7日 (日)

東博で等伯

東京国立博物館で開催している「長谷川等伯 没後400年特別展」に行ってきました。

特別展ということで、国宝3点、重要文化財30件を一挙に見られる滅多に無い機会。

霧雨の降る中、朝から上野に行って参りました。

「秀吉をうならせた」という等伯の襖絵は物凄い迫力です。

きらびやかさの中に独特の迫力を感じさせます。

一番最後に展示してあった「松林図屏風」(国宝)は圧巻・・・。

水墨画の最高峰といわれるのもその通りとうなずけます。

屏風の前に立って、その幽玄さに思わず深呼吸をしてしまいました。

霧雨に煙る松林の、その松の香りと霧の冷たさが感じられる気がする程。

水墨画ですから当然モノトーンですが、その風景の空気までを感じさせるリアリティ。

暫くの間、美術館の喧騒を忘れて、その世界へ完全に引きずり込まれてしまいました。

・・・凄いです。

そんなに絵画とか詳しい訳ではありませんが、理屈抜きで素晴らしさを体験できました。

3月22日までと期間が短いので、興味のある方はお早目に。

お勧めです。

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